夏!ということで怖い絵本のことを書きまーす。
うちの子たちは怖がりなのに、怖い話、お化け、妖怪、大好きです。子供ってみんなそうですかね?怖さって人を惹きつけるんですね~。
これは数年前に本屋さんで買った怪談シリーズのうちの一冊です。
「いるの いないの」 京極夏彦 作 町田尚子 絵
京極さん作だったのと、絵が静かに怖かったので買ってしまいました。
京極夏彦さんは「姑獲鳥の夏」と「魍魎の匣」しか読んでいませんが、読み切れるかな~と不安になる分厚さだったのに、電車で読んでいて途中で止められなくなって、電車から降りてから駅の待合室で最後まで読んだのを覚えています。
そんな京極さんが作ったお話だったので、子供たちと読もうとワクワクして持ち帰りました。娘たちは絵を見ただけで、“ヒヤ~~”と叫んでいました。
おばあさんの いえで くらすことになった。
とても ふるい いえだ。
表紙の男の子が、おばあさんの家にやって来るところから始まります。
男の子は、常に数匹の猫から見られています。
おばあさんの家は田舎の古い日本家屋といった感じで、絵を見ていると、湿った匂いや床のきしむ音が聞こえてきそうです。
うえのほうには はりという ふといきが わたっている
おとなが だいに のったって
はしごを かけたって とどかないくらい たかい。
男の子が気になって、その高い梁の上をじっと見ていると‥‥。
まどのよこくらいに
おこった おとこの かおがあった。
すごく こわいかおだ。じっと したを みている。
男の子の顔もこわい…。
そんなこんなで、最後はゾッとして読み終えることができます。
家族でキャーキャー楽しんで怖がりました。
なんせおばあさんもなんか怖いんですよね。全体通して見ても、おばあさんの顔がちゃんと描かれたページがない。後ろ姿だけだったり、ほんの一部しか描かれてなかったり。
みんなで、梁の上にいる人は誰なのか、亡くなったおじいちゃん?幽霊?いや、おばあさんの顔とも似てる気がする…、なんて話すのが楽しかったですね。そもそも、男の子はなんでおばあちゃん家に来たのかも書かれていないし。謎が多い分、想像が膨らみます。
怪談シリーズは他にもあって、作家さんといい絵描きさんといい、なかなか気合入ってます。
「悪い本」 宮部みゆき 作 吉田尚令 絵
「マイマイとナイナイ」 皆川博子 作 宇野亜喜良 絵
などなど、全部で9作品ほどあるようです。全部チラッと読んでみたいですね~。
あ、それとですね。いかにも“怖い”本、というのじゃないのに、内容を読んだら“あれ、なんか怖くない?”っていうのないですか?
「いやいやえん」中川季枝子 作 大村百合子 絵
おなじみ「ぐりとぐら」コンビのお二人が書いた、結構昔の本です。後ろを見たら1962年初版でした。昔の本だからかな?って気もするんですが、小6の長女と「あれ、なんか怖かったよね」と話した本です。
しげる君という、先生やお母さんの言うことを聞かない、ちょっと困った男の子が主人公です。しげる君が通うちゅーりっぷ保育園にはルールがたくさんあるんだけども、しげる君は全く守らない。
最終章で、ちゅーりっぷ保育園に行くのを嫌がるしげる君は「いやいやえん」という保育園に連れて行かれます。
その、いやいやえんの無秩序さと、おばあさん先生が、なんか怖い。
最後、しげる君は「やっぱりちゅーりっぷ保育園の方がいい」と言って帰って行くんですけど。あれからしげる君が急にいい子になるとも思えず、でもちゅーりっぷ園にはちゃんと行くようになるのかな~っていう感じで終わるんです。でも読んでる子供からしたら、あの無秩序ないやいやえんってなんだったんだ~ってちょっと後からゾッとします。
私が子供の頃読んで怖かったのは
赤いくつ アンデルセン
内緒で買った赤い靴を履くと、靴が勝手に踊り出して止まらないし脱げないし、踊り死ぬ前に足を切る。…なんて、子供には滅茶苦茶怖いんですが。
あとねあとね、「オズの魔法使い」だったと思うんですけど、魔女が色々な美人の顔コレクションをしていて、ドロシーの顔も「特別に美人というわけではないが、愛嬌があって魅力がある。」とかなんとか言って、魔女がドロシーの顔をコレクションに加えようとする場面…。
今ではドラマや漫画でよく見かけますが、顔だけズラッと並んでいる場面が子供心に怖かったですね~。行き過ぎた美への執着って怖い。
そんなことで、今日は怖い絵本の話をしました。
前回はせなけいこさんのお化け絵本のことを書きましたが、他にも可愛いお化け絵本もたくさんあるので又書きたいです。(^^)