私は金子みすゞさんの詩が好きです。
とても有名なフレーズ
“みんなちがってみんないい”
の「私と小鳥と鈴と」も勿論好きだし、
CMでも流れた「こだまでしょうか」も好きですが、
昔から一番好きなのは「不思議」という詩です。
ふしぎ
わたしはふしぎでたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀に光っていることが。
わたしはふしぎでたまらない、
青いくわの葉食べている、
かいこが白くなることが。
わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。
わたしはふしぎでたまらない、
誰にきいても笑ってて、
あたりまえだ、ということが。
子どもと一緒にいると、なんでもないことで子どもの目が釘付けになっている様子を見ることがあります。
お風呂で水が指先からポタポタと落ちるのをじっとのぞき込んでいる時、桃を種の周りギリギリまで食べて、中身の種まで取り出し硬さを指で確かめている時、水族館でトドの口周りのヒゲを凝視している時、雑草のさやの中の小さな実を豆のように取り出すのに夢中になっている時、葉っぱを葉脈だけにして骨々状態にしている時、静かなさなぎの色と細い糸をジッと見ている時、スプーンの中で逆さに映った自分の顔をまん丸な目で見つめている時。
そんな時は、私もその様子を黙ってずっと見ていたい気持ちになり、愛おしさがこみあげてきます。自分も子どもの頃こんな風だったと思い起こしながら。
金子みすゞさんの詩はいつも優しすぎて、なぜか分からないけど私は勝手に泣けてくるんです。
心が洗われるようで、気持ちが黒くすさんだ時にみすゞさんの詩集を開いたりします。(^^;)
こちらは、私の母が病気になった時に友達がプレゼントしてくれたものです。
母は「詩の後に書かれている文章が、詩の理解を深めてくれてとても良いよね。」と喜んでいました。
こちらは、私が本屋さんで買った豆本。手のひらサイズで可愛いのです。
こんな感じ。
中学生になった長女は身の回りのことで驚くことは小さい頃より減ったけれど、理科の生物で植物の勉強を不思議がったり面白がったりしている様子を見ると嬉しくなります。もし成績そのものが振るわなくても(笑)、学ぶ楽しさや知る喜び、面白がる気持ちを、ずっともっていて欲しいなぁと思います。