のんびり

雑記ブログです。日記、お出かけ、絵本、子育て、USJ、テレビ、家事、など。好きなことを好きなように書いています。

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さくらももこさんの影響で買った絵本、エロール・ル・カイン4冊

昨日は突然のさくらももこさんの訃報に驚きました。

 

さくらももこさんといえば、ちびまる子ちゃんですが、「もものかんづめ」等のエッセイや「コジコジ」も楽しく読ませてもらいました。

 

その中の1冊。  

「憧れのまほうつかい」 さくらももこ作

 

昔読んだこの本に、エロール・ル・カインという方の絵のことが熱く書かれてありました。

載っている挿絵は本当に綺麗でしかも色々なタイプの絵があり、私もエロール・ル・カインの絵本が欲しくなり、買ってしまいました。

 

 

「いばらひめ」エロール・ル・カイン絵

 

 お話の内容は「ねむりひめ」「眠れる森の美女」「いばらひめ」同じような内容だと思います。

 絵は色使いが鮮やかで美しくうっとりします。

左ページに絵があり、右ページに文章があるのですが、その文章を囲むフチの絵も全部違って美しい。さくらももこさんが描く可愛らしい縁取りの絵も、エロール・ル・カインさんに影響を受けたんだなぁと感じます。

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 1枚1枚、絵画を観るような絵本です。

 訳者は矢川澄子さん。

 

 

 

 「アラジンと魔法のランプ」エロール・ル・カイン絵

 

こちらも有名なお話。アンドルー・ラングという方の再話なんですね。

 先ほどとは絵のタイプが違って、中国風やインド風、日本画風な絵があったり、普通のアラビアンナイトな世界とは又ひと味違う世界観を味わうことができます。

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エロール・ル・カインさんはシンガポール生まれですが、子供時代にインドや日本、香港、サイゴンを転々とした、と絵本の最後に書かれてあったので、それでなのかもしれません。

 

 

 

 「魔術師キャッツ」エロール・ル・カイン絵

 

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こちらは洋風な可愛らしい絵。 劇団四季で観たキャッツを思い出しつつ読みました。

 

 

お次の1冊。 

 「フォックスおくさまのむこえらび」エロール・ル・カイン絵

 

この本は子供ともよく読みました。

色々な動物が出てくるんですが、動物の絵も上手いんですよねぇ。

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ふさふさで豊かなしっぽが9本もある美しいキツネが出てきます。お話はちょっと不思議系。フォックスおくさまのお付きのネコも可愛らしい。  

 

 

さくらももこさんの本を読まなければ、これらの絵本を知ることもありませんでした。

 

「ちびまる子ちゃん」は、リボンの漫画で読んでいた世代です。

そこからアニメも見て、エッセイや他の漫画も友達と貸し借りして読んだりしました。

今は子供達と、日曜日にアニメ「ちびまる子ちゃん」を一緒に見て笑っています。

 

まだ、亡くなられていたことに実感がありません。

またさくらももこさんのエッセイを読みたいです。

  

安房直子「きつねの窓」 童話

こんにちは、ささやまのどかです。

書きたいけど書けない。

こういう時はやっぱり、好きな本のことを書いて心を落ち着かせようと思います。[rakuten:book:10515554:detail]

 「つきよに」 安房直子 作/南塚直子 絵

 

この中に「きつねの窓」というお話が入っています。大好きなお話です。 

自分が小学生時代、国語の教科書に載っていてとても印象に残っていました。

大人になってから調べて、作者の安房直子さんの本を何冊か買いました。

 

ひとりぼっちの、猟師と子ぎつねのお話です。

「きつねの窓」はこんなふうに始まります。

 

いつでしたか、山で道に迷ったときの話です。ぼくは、自分の山小屋にもどるところでした。歩きなれた山道を、てっぽうをかついで、ぽんやり歩いていました。そう、あのときは、まったくぼんやりしていたのです。昔大好きだった女の子のことなんかを、とりとめなく考えながら。

道を一つ曲がったとき、ふと、空がとてもまぶしいと思いました。まるで、みがきあげられた青いガラスのように‥‥。すると、地面も、なんだか、うっすらと青いのでした。

「あれ?」

一しゅん、ぼくは立ちすくみました。まばたきを、二つばかりしました。ああ、そこは、いつもの見なれたすぎ林ではなく、ひろびろとした野原なのでした。それも、一面、青いききょうの花畑なのでした。

 

安房直子さんの色の表現と、優しくて悲しい感じのする文章が好きです。

安房直子さんのお話には、さまざまな色がでてきます。 色にとてもこだわりのある方なんだと思います。

 

この青いききょうの花畑で、“ぼく”は、子ぎつねを見つけて追いかけます。きつねの巣を見つけて親ぎつねをしとめるために。

すると「染めもの ききょう屋」というお店を見つけます。

そこには人間の子供に化けた子ぎつねが店番をしていました。

 

その子供は、“ぼく”に 指を染めることを勧めます。

断る“ぼく”に、子供は自分の青く染めた指で、ひし形の窓をつくります。

窓の中には白いきつねの姿が見えるのです。  

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それは、みごとな母ぎつねでした。しっぽをゆらりと立てて、じっとすわっています。それは、ちょうど窓の中に、一枚のきつねの絵が、ぴたりとはめこまれているような感じなのです。

 

子供は、自分の正体がばれたことも忘れて「これ、ぼくの母さんです」と説明します。

お母さんは昔、てっぽうで撃たれて死んだけれど、 染めた指で窓をつくれば、いつでもお母さんの姿を見ることができるから寂しくない、と。

 

“ぼく”はすっかり羨ましくなって、指を染めてもらいます。

すると、昔大好きだった、そして今はもう決して会うこのできない少女の姿が見えました。

子ぎつねが、指を染めたお礼に要求したのは、てっぽうでした。

 

“ぼく”は帰り道にもう一度窓をつくります。

今度は昔の自分の家と庭が見えます。

 

フ―ッと、大きなため息をついて、ぼくは両手をおろしました。なんだか、とてもせつなくなりました。 子どものころの、ぼくの家は焼けたのです。あの庭は、いまはもう、ないのです。

それにしても、ぼくはまったくすてきな指をもちました。この指はいつまでも大切にしたいと思いながら、ぼくは林の道を歩いていきました。

 

結末は、情景がリアルで目に浮かぶようです。

安房直子さんの、最後の現実に戻る描写とかが、本当にそんな人がいるんじゃないかという気持ちになれて好きです。

 

安房さんの美しい文章が、たくさんの人に読まれ続けるといいなと思います。

「つきよに」に載っている他の安房作品も素敵なので又書きたいです。

 

安房直子さん「きつねの窓」の話、でした!

 

 

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www.nonbirinodoka.com

 

 

怖い楽しい面白い!子供と読みたい日本昔ばなし25話

こんにちは!ささやまのどかです。

「決定版まんが日本昔ばなし101」からさらに、実際に子供と楽しんだ昔話を選んでみました!

 

  

まんが日本昔ばなしの面白さ  

私が子供の頃、土曜日の夜にテレビで「まんが日本昔ばなし」がやっていました。

絵が可愛くて面白くて微笑ましくて、でも時に怖くて悲しくて、そんな魅力的なアニメでした。

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エンディングではこんな、人だかなんだか分からない可愛いのが

動物たちと踊るんですよね。

い、い、な、いーい~な~♪ にーんげんってい、い、な♬ 

ってね。だからやっぱ人じゃないのか…。

 

長女は小さい頃から物語が好きだったので、眠れない夜はよく

“なにかおはなしして”

とねだりました。私は

“寝る前に絵本も読んだんだけどなぁ…。それに即興で面白い話が出来るような才能はないっすよ~。(-.-)”

と思っていました。

 

私「ママは『三枚のお札』っていう昔話が好きだったから、その話をしようか?」

長女「うん!!!」

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話し始めると、彼女は目をキラキラさせて聞き入ってくれて、全く寝てくれませんでした。

長女4歳位の頃でした。

寝かしつけには失敗でしたが、昔話ってすごいなぁって思ったんですよね。

 

話の種類

面白くて大好きな話 

最初は私が大好きな話にしちゃいますか、フフフ( *´艸`)

「地獄のあばれもの」

あ~っ、いいですね!

これは地獄に行った、医者と、山ぶしと、かじ屋の3人が、地獄で自分達の特技を生かして、えんま大王を困らせるお話です。まー、絵も可愛くて痛快なお話。カールおじさんそっくりな人もいるし。

元々は『地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)』(←この言葉を言うとなんか気持ちいー!)っていう長ーい落語が元のお話みたいです。いつかこの落語も落語家さんのを生で聞いてみたいなぁ! 

「三枚のお札」

これも良い!

山寺のやんちゃ小僧さんがやまんばに襲われるお話です。

小僧さんは和尚さんから貰った3枚のお札を使って、やまんばと戦います。

やまんばが包丁をといでいる所を小僧さんに見られて、正体をバラすところが最初の見せ場です!ここの緊張感から後半への盛り上がり、ラストはそうなるのかって感じが小気味いい。

 やっぱり3て良い数字ですよね。話を聞く時の長女のワクワクした目がたまらんかったです。

 

 怖い話 

怖い話はいくつもあれど、私はやはりこれが一番ですね。

 耳なし芳一 

 目が不自由で、びわひきの才能が類まれな芳一という若者のお話です。

芳一は特に、平家一門が戦いに敗れた壇之浦の合戦の語りが素晴らしく、聞いた誰もが涙を流しました。そんな芳一に、1人の武者が声をかけてきて…。

最後は痛そうで可哀相で悲しくて、なんで芳一がこんな目に…と思いますが、いつも達観した静かな芳一の表情を見ると、色々と考えさせられるお話です。

 

有名どころ 

桃太郎。浦島太郎。金太郎、力太郎、等太郎系

この太郎系はどれも日本人なら押さえておきたいサクセスストーリーですね。桃太郎なんかは大人になってからも議論できます。桃から生まれるんだから不思議系でもあります。浦島太郎もそうですね。力太郎なんて人間のあかからできてますしね。

昔の人の想像力はすごい! 

わらしべ長者

う~ん!夢のある話!

でもやっぱわらしべ長者になる男の人は、運の良い時も悪い時も人に優しいし、お金持ちになってからも観音様の教えを守るんだよなぁ。

笠地蔵

 最後の手ぬぐい被ったお地蔵様が、なんか末っ子のようで可愛いんですよねぇ。

しょじょ寺の狸ばやし

これは歌も有名なので、お話と一緒に楽しみました。

又、カールおじさんみたいな和尚さんが出てきますねぇ。どんな状況も受け入れて楽しんでしまう3人目の和尚さん。懐の深さと、追い出そうとするタヌキとも仲良くなれるコミュ力の高さが光ります。

 

悲しい話 

かっぱの雨乞い

これはぁ、悲しい。(T_T)

仲間のいない孤独感から悪さばかりしてきた河童が、最期は自分の命と引き換えに神様に雨乞いをするお話です。

雨乞いする河童の表情と姿に心うたれます。

子供と2人で悲しい気持ちになってしまうけど、心に残るお話です。

 

きじも鳴かずば

あ~っ、これも悲しい。(/_;) 

お千代という娘は父親と2人暮らしで大変貧しかったので、お千代が病気になった時に父親は一度だけ少量の盗みを働いて、あずきまんまを食べさせました。お千代が元気になって外で歌った手まり歌。

トントントン、おらんちじゃ、おいしいまんま食べたでな。あずきのはいった、あずきまんま。トントントン

それを近くの百姓が聞いていて…。

「きじも鳴かずば撃たれまい」の元となったお話。

口をきかなくなったお千代がキジを抱える姿が悲しい。

 

不思議系 

一寸法師

なにせ打ち出の小槌が出てくるし、一寸法師は小さく生まれるし、不思議なお話。

一寸法師が旅する時に、お椀を船にして箸でこぎ、針を刀にするという、身近な物を見立てた部分が子供心をつかみます。

一寸法師の勇気と行動力を見習いたいなぁ。

 

かぐや姫

かぐや姫は光る竹から生まれるし、最後は月からお迎えが来るんだから、今の時代から考えても凄い発想力のお話だなと思います。

 

赤ん坊になったお婆さん

ある日おじいさんが、たまたま見つけた若返りの水を飲んで青年に戻って帰ってきます。

おんな心ですかね、翌日おばあさんは教えてもらった若返りの水を飲み過ぎて赤ん坊になってしまったお話です。

その先どうなるのかしらね。

明日まで待てると言っていたおばあさんが、朝まで待ちきれず一人で飲みに行ってしまうのが可愛らしい。

 

お化けや幽霊の話 

幽霊の酒盛り

これ、大好き。

骨董屋さんの甥っ子が店番をしていたら、幽霊を描いたタダ同然の掛け軸を高値で買うという客が現れ、翌日お金を持って来ると言います。

甥っ子はご機嫌でその晩1人祝い酒、掛け軸の幽霊に「よく見ると美人だね。一緒に飲もうよ、お酌でもしてよ。」みたいな冗談を言うと、美人と褒められたのが嬉しい幽霊が本当に掛け軸から出てきて…というお話です。

怖いんじゃなくて面白い話。オチがふふふと笑えるんですよね。

長女と初めて読んだ時は2人で一緒に笑って楽しかったですね。(*^▽^*)

 

おいてけ堀

のっぺらぼうの話ですね。

私はこれも、怖いというより面白い話だなと思います。

「それってもしかして…こんなやつじゃなかったのかい?」のセリフを何度も重ねてくるところが好きです。

 

有名で残酷シーンあり 

さるかに合戦

わりと残酷で幼心に残る作品ですね。

最初カニのお母さんが、サルにとことんやられる場面は本当可哀相。

青いカキをぶつけられるところなんか、子供の頃震えましたね。今考えてもそうです。だってカニのお母さんのお腹には赤ちゃんガニが3匹もいたんですから。ブルルッ。

しかもお亡くなりに…。(/_;)

こんなひどいサルだからこそ、仕返しする場面が最高にスッキリしますね。

日本人は昔から仕返しものが好きなんだな。

 

かちかち山

 これも仕返しものですね。

おばあさんがタヌキに殺される事実はね…。やっぱり人が死んだっていう話は子供の心に残りますね。

それをマイルドに変える必要はないと思います。

仕返しした前山のウサギも、最後タヌキを殺してしまいますしね。

読後に子供と議論するのも面白いです。

 

なるほど話 

ねずみの嫁入り

娘の幸せを願って「一番強いお方の嫁にする」と言うややこしいお父さんねずみ。誰が一番強いのかの問答がナルホドと面白い。

次女がよく「読んで」と言うお話の1つです。

  

由来系 

にんじんとごぼうとだいこん

あ~っ。これ大好き。子供の頃から好き。

なんでしょうかね、身近な野菜にもそんな物語があったら面白いなと思うんですかね。大好きです。

 

とんびとカラス

 むかしむかし、鳥はみんな真っ白だったという衝撃的な始まり方をするお話。

でもそれじゃあヒナを間違ってしまうからと、色をつけることになります。

カラスがなぜ真っ黒になってしまったか。

興味のある方は親子でぜひ読んでみて下さい。

 

十二支の由来 

有名ですね。

なぜ12支にネコが入っていないのか。なぜネコはネズミを追いかけるのか。

由来系の話、好き!この他にも「そら豆の黒いすじ」なんかも面白いですよ~。

昔話は由来のお話がたくさんありますね! 

 

かみさまの話 

日本昔ばなしには、色々な神様がよく登場します。それは神様らしい神様ではなく、ちょっと欠陥のある愛すべき神様たちです。

おこぜと山の神 

とある山の神様が水にうつった自分の顔を偶然見てしまい、 その醜さに驚いて恥ずかしくなりほこらに閉じこもってしまいます。

そのせいで山や畑があれたので、村人たちは困ります。

そこで山の神様に「おこぜ」を見せたら、自分より醜い顔があったと山の神様が笑ってご機嫌がなおる、というお話。

はたして教育的にはどうなのか?とも思うけれども、山の神様の動揺ぶりやセリフが面白いです。でも実際、山の神様とおこぜの顔の絵はどっこいどっこい…。

 

貧乏神と福の神

貧乏神が住み着いている男の家に働き者のお嫁さんが来て、貧乏神が居づらくなります。

夫婦2人でよく働くものだから、ついに福の神がこの家にやってくることに。

追い出されてしまうと泣く貧乏神を可哀相に思った夫婦が、3人で協力して福の神を追い出すお話です。

 頭が混乱する福の神が面白いです。

 

神様が出てくる日本昔ばなしはたくさんあって面白いですよね~。

この本には載ってないけど七福神の話とかも大好きです。七福神の絵が可愛い。

 

幼児が文章と想像力だけで楽しめるのか

私は最初こんな小さな子がお話だけで、頭の中で絵を思い描けるのかな?って思ったんです。

アニメなら分かりやすいけど、この本は挿絵が少し入っているだけでほとんど文章だったので。

でも、すごく楽しむんです、大丈夫なんですね。

昔ばなしだからちょっと馴染みのない言葉や歴史的なことも出てくるから、そういう時は補足して説明してあげれば大丈夫。

たぶん全部は理解できないけど、頭の片隅になんとなく入るだけで充分だと私は思います。 

 

子供とどんな風に読んで楽しんだか

普通に一緒に本を見ながらも読みましたが、私の声を録音して寝ながら聞いたりもしました。

1度録音してしまえば、自分も一緒に寝ながら聞けるので楽です。

次女の出産で入院中、5歳の長女がパパと寝る時に聞いて寂しさを紛らわしてくれたみたいで、嬉しかったです。 

 

まとめ

昔話は超ロングセラーだけあって、やっぱりよく出来たお話が多いと思います。

日本人なら読んでおきたい、滑稽で笑える話、感動する話、悲しくて怖い話、様々な話が詰まっています。

人の気持ちや昔の暮らしを知ったり、歴史に興味をもつきっかけにもなります。

 

どのお子さんにもきっと、目をキラキラさせて聞ける大好きなお話が必ず見つかると思います。(*^-^*) 

  

国語の教科書音読「サボテンの花」やなせたかし

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こんにちは!ささやまのどかです。

 

学校が始まりました!

先日、長女に音読の宿題がありました。

 

“まだ音読の宿題ってあるんだな~”なんて思いながら長女の音読を聞いていたら、内容がさ…、短いんだけど、なかなか突き刺さる内容でさ…。

私の気持ち的には、聞いているうちに、だんだん目が丸くなり、椅子からオットットと降り、ちょっと貸してくれる?と長女から国語の教科書を借りて再読。

 

知っている方は知ってるんだろうけど…。

「サボテンの花」という本で。アンパンマン作者のやなせたかしさんの作品。

 

内容は…、結末まで書いています。スミマセン。

 

 

 

 

 

 

砂漠に立っているサボテンに、風が話しかける。

“向こうの緑の平野に行けば、ゆっくりとねむりながら暮らせるのに、なんでこんな所に生えてるの?”

みたいなことを聞く。

サボテン答える。

なるほど。そこはいい所らしい。

しかし、ぼくはここがいい。

ねむるようにくらすより、たたかいながら生きたい。

それが生きるということだと、ぼくは思う。

風は口笛を吹きながら砂漠の向こうにいってしまう。

ある日、サボテンは、のどが渇いて死にそうな旅人に剣で切られる。

旅人は、サボテンの傷口から出た水を飲んで、再び旅を続ける。

風が又やってきて言う。

ばかだな。君は何もしないのに、切られてしまったじゃないか。

 サボテン、あえぎながら答える。

ぼくがあるから、あの人が助かった。

ぼくがここにいるということは、むだじゃ、なかった。

たとえ、ぼくが死んでも、一つの命が生きるのだ。

生きるということは助け合うことだと思うよ。

 やがてサボテンの傷は回復する。

サボテンはある日美しい花を咲かせる。

だれ一人として見る人もなかったのに。

 という文章で終わる。

 

娘と「う~ん、アンパンマンワールド、やなせさんワールドだね。」とおしゃべりする。

 

私は正直、やなせさんが描く、犠牲愛みたいな世界がちょっと苦手だった。

小学生の頃、図書室で初めてアンパンマンの絵本を読んだ時(その頃はアニメはやっておらず、アンパンマンも八頭身みたいな感じだった)、自分の顔を食べさせる姿に衝撃を受け、最終的に頭なしで飛ぶアンパンマンに又衝撃を受けた。

最後はパン工場で又新しい顔を作ってもらえるんだけど、やや心が痛んだ。

これは、アンパンマンの顔を分け与えてもらった動物たちも、同じなんじゃない?助かるけど、申し訳ない気持ちになるんじゃない?そんな想いが、スッキリしたハッピーエンドに感じられず、心にその時の衝撃が刺さったままだった。

 

やなせさんの作品は、私にとっては、好きとかよりも、心に引っかかる。

今回のサボテンの花も、心に引っかかる。

けれど、子ども時代とは又、違う感想ももつ。

 

サボテンは、犠牲的精神ではなくて、自分のポリシーを貫いて砂漠にいる。

私が感じていた犠牲愛とは、ちょっと違うみたい。

アンパンマンも、サボテンも、自分の使命を感じて生きている。

 

大人になってくると、自分の欲よりも、人が喜んでくれるとか、感謝されるとか、人の役に立ったとか、そっちの方が頑張れる時がある。

承認欲求が満たされているだけかもしれないが、自分が生きている使命を果たせた満足感かもしれないなぁ。

 

自分も小学生時代の国語の物語で、大好きだった話がある。

自分達の時代より薄くなった教科書に、いかがなものかとか思っていたけど、

やっぱり教科書、まだまだあなどれない。 

 

音読で、ずいぶん色々と思いを巡らせることになった話、でした!

 

 

西原理恵子さんの本で考える、女の子の生き方

「女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと」西原理恵子

こんにちは、のどかです。

この本は割と最近読みました。

娘が2人いるので、やっぱりこういうタイトルの本は気になります。子供が出来てからは、どうしても小説より子育て関係の本を手にとってしまいます。 

「毎日かあさん」はちゃんと読んだこと無かったけど、テレビで西原さんのインタビューを見てからずっと気になってて、近所の本屋さんで買いました。

私の中では、この本は 、西原さんも書かれているとおり、

転んだ時の立ち上がり方。

長い人生、人は何回も転ぶ。その時腐らず立ち上がる方法。 

を伝えたかったんだなと思いました。

成功する方法よりも、つまづいた時にどう立ち上がるか。大きな穴に落ちる前に、やっておいた方がいい事はたくさんある。 そんな危機回避方法って、義務教育にも必要なんじゃないか?そんなことを考えさせられた本でした。 

 

これからを生きる女の子には、頑張り方を間違えないでほしい。ベクトルを努力の報われる方向に向けてほしい。とにかく、自分の力で幸せになってほしい。

そんな印象。西原さんの、娘さんを含めた全ての女の子への、愛あふれる一冊です。

感じたこと、考えさせられたこと   

自分も、娘に伝えたいことをいつか手紙にして渡したい。

どんな時でも、次の一手は、自分で考えて、自分で選ぶ。

幸せは、自分で取りに行って下さい。

西原さんが言うから説得力がある。経済力もあるし、苦労もしてるし、経験も豊富。だからこの本は娘達にいずれ読んでほしい。

でものんびり生きてきてしまった自分の中にも、もっと早く気付いておけば良かった、という事があります。説得力があるか分からないけど、自分の言葉でも伝えたい。

学生時代は男女平等だけど、社会に出たら、やっぱり男性と女性は違うんだと改めて実感したこと。

その他、自分が経験してみて分かったことや、もっと早く知りたかったことは、たとえ本人が経験するまで分からなかったとしても、伝えておきたいなと思いました。

病気のボーダーライン 

西原さんの亡くなった旦那さんは、アルコール依存症でDVでした。

別れることが相手の為になることもあるのに、若い時は気が付かなかったと書かれていました。

一度別れて、でも最期は、病気の旦那さんを看病して見送られました。

その経験から、病気にもボーダーラインというのがあると。

借金してパチンコしたら、ギャンブル依存症。

飲酒運転し始めたら、アルコール依存症。

アルコール依存症も、DVも、病気だから。

 

病気を治すには、抗生物質が必要で、愛は効きません。

専門家の判断にゆだねて、家族は後方支援をする。

それに気づいて離婚するまでに、6年もかかってしまった。

最初は優しかった元旦那さんが、どのようにDV夫に変わっていったかが書かれてありました。ひどい言葉もたくさんありました。西原さんは「あれは病気だった」と。最後は旦那さんも「あのときはすまなかった」と謝ってくれたそうです。

病気かどうかの判断と、病院や周りに助けを求めることの大切さ。まず自分がちゃんと判断できるような状態になること。若い時の無知や純粋さっていうのは、ちょっと危険なんだなと感じました。

あなたの人格を否定していい人なんていない。

 人格を否定されたら、心と体が身動きとれなくなる前に、とにかく逃げて!

とずっと訴えられています。

これっていじめとかでも同じだと思う。逃げる方法、学校に行かないってことだって一つのやり方だと、他で勉強する方法だってあるんだよと、大人がもしもの時の為に教えておく必要はあるんじゃないかと思う。被害をうけた子の心や体や命がこわされる前に。

 

 私は特に心うたれた部分を書いたんですが、他にもグッときた言葉や文章はたくさんあるし、西原さんが、自分で色々学びながら少しずつ夢をかなえていった話や、娘さん息子さんの巣立ち旅立ちの話やら、明るい内容も盛りだくさんです。

子供に対しての話で、ジンと共感できる所もあります。

私にとっては、女の子の生き方、教育、危機回避、色々考えさせられる本でした。 

 

五味太郎さんの絵本の読み方に驚愕!「絵本をよんでみる」

 「絵本をよんでみる」 五味太郎 小野明 

絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー)

絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー)

 

 こんにちは、ささやまのどかです。

この本は、20代の頃に読んで、絵本がもっと大好きになったキッカケの本です。

何となくパラパラと立ち読みしていたら、滅茶苦茶ツボで面白かったんです、自分にとって。なのでその場で買ってしまいました。

 

絵本作家の五味太郎さんと編集者の小野明さんが、13冊の絵本について熱く語り合ったおしゃべりが、文字になっています。最初は五味太郎さんが絵本作家なのも知らなくて、この本で知りました。

  • うさこちゃんとうみ
  • よわむしハリー
  • キャベツくん
  • キスなんてだいきらい
  • よあけ
  • ふたりはともだち
  • ふくろうくん
  • キミちゃんとかっぱのはなし
  • おっとあぶない
  • かいじゅうたちのいるところ
  • 変なお茶会
  • エンソくん きしゃにのる
  • どんどん どんどん

この13冊。

最初の「うさこちゃんとうみ」の考察だけでも引き込まれます。 

  あるひ とうさんの ふわふわさんが

 「きょうは さきゅうや かいのある

 おおきな うみに いくんだよ。

 いきたいひと だあれ?」といいました。

 

とりあえずおまえに関係なく、オレは海に行くんだけど、おまえ、いっしょにどう?っていう誘い方が「しゃれてるねえ」という感じ。 

 

 「あたし あたしが いくわ」

 

 となる。

これ、すごいね。「いきたいな」じゃなくて、「いくのは わたしだ」、「あたしが いくわ」って。ここの文章だけみていても、二時間はボーっとして楽しめる。

―ぼくも十五分ほど…

その差は人生の経験の差でしょう。君もこれから経験を積めば二時間になります。

 二時間…。

 このあとも、普通にパーっと読んだらすぐ読めてしまう「うさこちゃんとうみ」を、どこまでも深く深く読み込んでいくんですね。

うさこちゃん、なんでお世辞言うんだろうか、とか、 絵は単純なのに文章にはいろんな釘を打っている、だとか、ふわふわさんとうさこちゃんが一回も一つの画面に同時に出てこない、だとか。

もうそれ読んだら、自分も一緒に色々想像しちゃって。

 うさこちゃんが水泳パンツをはいた場面では…。

とうさんは おどろいて いいました。

「おまえひとりで はけたのかい?」

 

ふつうの流れでいくと、このあとは「もちろんはけたよ」というようなことかもしれない。ところが絵が、もうピシッとはいてるわけ。「トーゼン」っていう感じで。ここらへんのやりとりが「ああ、絵本だ」と思う。

ほんとだ、ほんとだ。絵本ならではの表現なのね。もうこれ読んだら、うさこちゃんの水泳パンツ姿が、すごいドヤ顔に見えてくる。「こんなこと、だいぶ前から出来てるよ。パパ知らなかったの?」とでも言ってるような。 いつも無表情のふわふわとうさんも、この時は劇画タッチなふわふわさんだったんじゃないかしら。これ以上文字で説明しなくても、絵を見れば全て分かるよっていうのが絵本なんだな!

なんて、こっちまで興奮状態になってきます。

 

 五味太郎さんは最終的に、この絵本の中でずっと感じる「寂しさ」の理由や背景を、ご自分の見解で、うさこちゃん家族のストーリーを想像して仮定して納得されてるんです。

うさこちゃんのお世辞や、どこかただよう父と娘の緊張感の理由。

こちらまで、“あぁナルホド、そうかもしれない”と思ってしまう。

 

 他の12冊も紹介したいことや書きたいことはたくさんあるんですが、時間もなくなったしこのへんで。また今度にします。

 自分が「絵本はここまで深く読みこめるのかと驚愕し、さらに絵本好きになった話」でした。

 

有島武郎さんの本が、母を亡くした寂しい心を慰めてくれた。

 「小さき者へ」有島武郎

こんにちは、ささやまのどかです。

何の本から書こうかと考えたけど、やっぱり一番心をうたれた本の事から書こうと思います。

 

 この本は、1918年に書かれました。おぉ、今からちょうど100年前ですね。

有島武郎が実際に奥さんを病気で亡くし、残された幼子3人に向けて自分の気持ちを書いた本です。

 

私は16年前の春、26歳の時に、母を病気で亡くしました。

病気がわかった時も、亡くなった時も、とても辛かった。

でも私はもう成人していたし、自分も早く気持ちを切り替えて、仕事をして結婚して子供を生んで、自分の家庭を築いて幸せにならないといけない、次のステップにいかないといけない、と思いました。

 

でも何をしても、やはり夜になれば母を思い出して悲しくて泣けてくる。

母がいた家に帰るのが辛い。仕事も忙しかったので、なるべく遅く帰って、家にいないようにしました。

 

“こんな風に、いつまでも悲しんでいてはいけないのに。ダメだな、私は。いつまで辛いんだろう。”

そう思って、誰かに迷惑をかける訳にもいかないので、外では笑って、家では一人で泣くようにしていました。

 

そんな時に、有島武郎の「小さき者へ」を読みました。

私はもう小さくはなかったけれど、その文章は私の心をうち、涙が出て仕方なかった。それは何より私の心を慰めてくれる文章でした。

  

世の中の人は私の述懐を馬鹿々々しいと思うに違いない。何故なら妻の死とはそこにもここにもきはてる程おびただしくある事柄の一つに過ぎないからだ。そんな事を重大視する程世の中の人は閑散でない。それは確かにそうだ。然しそれにもかかわらず、私といわず、お前たちも行く行くは母上の死を何物にも代えがたく悲しく口惜しいものに思う時が来るのだ。世の中の人が無頓着だといってそれを恥じてはならない。それは恥ずべきことじゃない。私たちはそのありがちの事柄の中からも人生の淋しさに深くぶつかってみることが出来る。小さなことが小さなことでない。大きなことが大きなことでない。それは心一つだ。

  

 小さなことが小さなことでない。大きなことが大きなことでない。それは心一つだ。

この文章に、どれだけ慰められただろう。100年ほど前に書かれた本が、私の寂しい心を慰めてくれる。

小さい頃から本は大好きだったけど、文学ってこういう事なんだろうかと、初めて身に染みて思いました。

私は文学の勉強もしたことはないし、難しい本も読めないけれど、以前、阪大文学部長の式辞の「文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます」との言葉をネットニュースで読んだ時、本当そうだなと思いました。

 

然しこの悲しみがお前たちと私とにどれ程の強みであるかをお前たちはまだ知るまい。私たちはこの損失のお蔭で生活に一段と深入りしたのだ。私共の根はいくらかでも大地に延びたのだ。人生を生きる以上人生に深入りしないものはわざわいである。 

 

女ながらに気性のすぐれて強いお前たちの母上は、私と二人だけいる場合でも泣顔などは見せた事がないといってもいい位だったのに、その時の涙は拭くあとからあとから流れ落ちた。その熱い涙はお前たちだけの尊い所有物だ。

 

あちこちに、心うたれて線を引きました。

 

私は今結婚して、子供にも恵まれ、幸せに暮らしています。

でも子供ができたらできたで

“この子達をお母さんに見せてあげたかった、子育てで悩んだ時、お母さんに色々聞きたかった、孫を可愛がってくれる姿を見たかった”

そんなことを思って、寂しく感じるものです。

 

でもどんな時も、有島武郎の「小さき者へ」は私の中では、幾度も幾度も読み返しては慰められ励まされる大切な本です。

 

なかなか文章で伝えきれない自分の力不足が悔しい…。

有島武郎の「小さき者へ」を読んで、お母さんを亡くして悲しんでいる人が、一人でも心を慰められるといいなと思います。 

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