注:学習に役立つ内容ではありません。
「花曇りの向こう」瀬尾まいこ
おばあちゃん『おなか痛いんやったら、梅干し食べとき。』
この話は、親の都合で転校が多かった男の子が、中1からおばあちゃんの家に引っ越してきた物語です。
まだ学校に馴染めないナイーブな主人公と、ガサツなおばあちゃんとの会話が印象的。 自分の子と義父のすれ違いコミュニケーションを見ているようで、ちょっとハラハラする。
ばあちゃん『そこ、胃じゃなくて腸や。』
ばあちゃん『転校なんて、明生、慣れたもんやろ。』
でもおばあちゃん、もちろん嫌な人ではなくて。
長女:このおばあちゃん、長谷川義文さんの絵本『おかあちゃんがつくったる』のお母さんをを思い出すんだよねぇ。
私:分かる!アレ、サラリーマンのおっさんかっていう所の読み聞かせする時、笑うんこらえるん大変やった。途中、ご飯が砂の味になったとこは切ないんやけど、最後お母さん全然めげてないしな。
長女と本や漫画の話をするのは楽しいです。
「星の花が降るころに」安藤みきえ
戸部君『おまえは俺を意外とハンサムだと思ったことがーーあたかもしれない。』
これも中学生のお話。主人公は小学校時代の親友と、ちょっとしたすれ違いで距離が出来てしまったが、また仲良くしたいと思っている。
同級生の戸部君は明らかに主人公の女の子が好きなのに、彼女は全く気付いてない。どころか、うざがっている。
主人公『なんで戸部君はいつも私にからんでくるのか。なんで同じ塾に入ってくるのか。なんでサッカー部なのに先輩のように格好よくないのか。』
いや、最後ただの悪口。
戸部くん、頑張れー!
「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセ
エーミール『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。』
少年の頃、ちょう集めをして展翅(てんし)の趣味があった主人公の思い出話。
やー、これはぜひ長女に授業でやってほしかったのに、休校期間で受けられなかったんだよね。
手と心にざらっと残る触感。後味の悪さ。さすがヘルマン・ヘッセ。
ここまでじゃなくても、多くの人が成長過程に似た経験や感情があって。
お母さんの『おまえは、エーミールのところに行かなければなりません。』っていうセリフも、静かで毅然としてていいんだよね。
【そのとき、初めて僕は、一度起きたことは、もう償いのできないものだということを悟った。】
覆水盆に返らず…。罵倒された方がまだマシ。
後から何を言っても事実は変えられず、どうにもできないことを知る瞬間。
このジメっと感がいいよねー。
追記
昨日ね、長女と国語の教科書の話をしてて、なんか笑って盛り上がったので書きたくなったんです。
国語の教科書からどんどん物語や小説は減らされていくらしいですが、教室で同級生と印象的な小説を味わうっていうのは結構いいものだから、物語も残しておいてほしいなと思います。