のんびり

雑記ブログです。日記、お出かけ、絵本、子育て、USJ、テレビ、家事、など。好きなことを好きなように書いています。

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子供は1冊でも強烈な読書体験をしたら、本好きになるのでは?

 

前書き

子育てをしていると、“本が好きな子になってくれるといいな”って、思ったことがある人も多いんじゃないでしょうか。

 

本を読むと頭も良くなる…なんていうのはよく言われることですが、何より

「人生が豊かになる」

気がします。

 

私は子供の頃は本は好きだったので、自分の子供には本を好きになってほしいなと思ってきました。

これは大げさではなく

「人生観を変えてくれた本や漫画とどれだけ出会えるか、は、心の豊かさに繋がる。」

と思うんですよね。

漫画も本も両方ほしい。

だって人と語り合うのも、どちらも楽しいですもん。(^-^)

 

でね、思うんですよ。

 

子供は一冊でも強烈な読書体験をしたら、本好きになるのでは?って。

種類の違う強烈さが、何回かあると尚よし。

 

だから、子供のうちに、自分で選んで、読んで、心に刺さる読書体験をさせたい。

年齢は、できれば小学生の間に一度、そういう体験がほしい。

 

親がそうさせたい場合は、読ませたい本をなんとなく目に着く本棚に並べておくか、我が子の好きそうな本を調べて選ばせてあげるか、かなと思います。

子供にとって、自分から手に取った、というのも、大きなポイントになると思う。

自分が選んだ本が、なんと、めっちゃ良かった‼っていう体験。

私の選ぶ目、凄いんちゃう?っていう。

 

あと、小さいうちから、本人のお気に入りの絵本を手元に置いてあげたり、とかでしょうか。

それが親が思う絵本とは違っても、やっぱり子供が好きな絵本がいいなぁと思います。

 

長女の場合(小さい頃から物語が好き)

現在、高校生の長女は、小さい頃からお話や絵本が好きな子供でした。

前にも、そんな話をブログに書いた事があります。

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でもこれは、誰にでも当てはまる事ではないなぁと次女が生まれてから思いましたが、その話は又後で。

そんな長女は絵本の楽しさから始まり、日本昔ばなし等から、少しずつ字だけの本にも移っていきます。

幼稚園時代は先生が読んでくれた、「もりのへなそうる」とか。

家で読んだ中川利枝子さんの「いやいやえん」は、ちょっとゾッとした、怖かったと言ってましたね。他の普通の本とは違う、と。

最初に、何がワクワクしたかといえば、王道だけど「マジックツリーハウス」。

丁度、芦田愛菜ちゃんが声優をした映画が上映されていたのも、キッカケになりました。

幼稚園ながらに少しずつしか進まないページを、私と交代交代で読んだり、読み進めていきました。小学生になってからはかなりスピードアップしていきました。

もうその後は、ほっといても自分から本を読むようになりました。

今ではすっかり有名な「銭天堂」に、「動物と話せる少女リリアーネ」シリーズ、はやみねかおるさんシリーズで更に本にのめりこみ、それからハリーポッター全巻を楽しみつくしていました。

私とも本の話をしてくれて「赤毛のアン」の物語の素晴らしさを一緒に語り合ってもくれました。

あと嬉しかったのは、自分が子供時代に読んだミヒャエル・エンデの「モモ」を勧めたら、長女から「今まで読んだことの無い感覚の本だった。凄く良かった!」と言ってくれた事でした。

 

最近は話題になった本等、色々読んで現在に至ります。

 

次女の場合(小さい頃はそこまで本が好きではない)

次女は、長女と比べたら、そこまで物語好きではなかったと思います。

読みたがる絵本も間違い探し等、どちらかというと、遊んだり見て楽しむ絵本が多かったかな。

それが小学生になってから少しずつ、字だけの本もゆっくり読むようになってきました。

好みが長女とはまた違って、そこが面白いです。

「大造じいさんとガン」とか、割と渋くてカッコイイ話が好きです。

次女は、中学受験するかは分かりませんが、今は塾に通っているので、国語の問題で色々な文章や本に触れる機会があります。

ちょっと難しいものもあるけど、面白い本の抜粋が多いんですよね。

続きが知りたくなる。ここが分岐点かも、と思います。

それで、続きを読みたい本を買うようになります。

長崎夏海さんの「空にふく風」、説明文で読んだ理科系の本、最近で彼女のお気に入りは重松清さんの「口笛番長」。

この「口笛番長」が今のところ彼女が一番好きな本のうちの一冊です。

一生懸命、私に音読してくれる姿が可愛いのです。

次女はこの本の登場人物で最初嫌いだった子を、途中から好きになるんですね。

本の登場人物だからそうなれる部分もあるけれど、成長を感じて嬉しかったんです。

ちなみに私はまだ音読で途中までしか聞いていませんが、プロローグが良かったです。

次女いわく、最後まで読めばエピローグが更に良いそうです。

このまま、どんどん本を好きになっていってくれたらな、と思います。

 

自分の場合

そんな次女の姿を見て、私も子ども時代を思い出しました。

私の場合は、小学校の教室文庫にあった灰谷健次郎さんの「プゥ一等あげます」で感動して、本ってすごく面白い!って思ったんです。

そのあと、灰谷さんの本を読んで分かったんですけど、これでもか、これでもか、これでもか、ウォー!と泣かせにかかる部分があります。きっと分かってくれる方もいるはず…。

子供の頃から、大人になってからもですが、色々な種類の本との出会いがね、やっぱり大事ですよね。

その後は本が好きになって図書館に借りに行ったりして。

「七つの人形の恋物語」も好きになりました。

作者は「ポセイドン・アドベンチャー」のポール・ギャリコです。

夫と会った頃、この映画が大好きと聞いて、おおってなりました。

 

高校生では先生が授業で中上健次さんや、吉本ばななさん、山田詠美さん、フィリップ・k・ディックの本などを扱ってくれたので、それも自分にとっては世界が広がったなぁと思います。

他は、河合隼雄さんが書かれた文章は面白いなぁなんて感動しました。

 

周りの大人の対応

子供が何かの本や読み物に感動して話してくれた時、お父さんやお母さん達は、ぜひ興味を持って聞いてあげてほしい、です。

あまり関心が無かったり忙しかったとしても、興味があるフリでもいいから。

私は当時、母に話して、私も次女のように音読して聞いてもらったりしましたが、母の反応は薄かったんですよね。

「いい話だね」で終わったような…。

忙しいから仕方なかったのかもしれませんが、もうそれ以上、あまり母に本の話をしても仕方ないなと思うようになった気がします。

だから次女には、とことん付き合ってあげたい。

それは、あなた自身にも興味があるよ、という事になるし。

あなたが好きなもの、感動したものを知りたいよ、という事になると思います。

子供はそれが嬉しくて又話したくなるし、又好きな本を探したくなるもんです。

本を好きになりかけた子の話を、聞いてくれる大人がいてくれたらいいなと思います。

 

中1国語の教科書、印象的な物語とセリフ。「あたかもしれない」「つまり君はそんなやつなんだな」

注:学習に役立つ内容ではありません。

 「花曇りの向こう」瀬尾まいこ 

 おばあちゃん『おなか痛いんやったら、梅干し食べとき。』

この話は、親の都合で転校が多かった男の子が、中1からおばあちゃんの家に引っ越してきた物語です。

まだ学校に馴染めないナイーブな主人公と、ガサツなおばあちゃんとの会話が印象的。 自分の子と義父のすれ違いコミュニケーションを見ているようで、ちょっとハラハラする。

ばあちゃん『そこ、胃じゃなくて腸や。』

ばあちゃん『転校なんて、明生、慣れたもんやろ。』

 

でもおばあちゃん、もちろん嫌な人ではなくて。

長女:このおばあちゃん、長谷川義文さんの絵本『おかあちゃんがつくったる』のお母さんをを思い出すんだよねぇ。

私:分かる!アレ、サラリーマンのおっさんかっていう所の読み聞かせする時、笑うんこらえるん大変やった。途中、ご飯が砂の味になったとこは切ないんやけど、最後お母さん全然めげてないしな。

長女と本や漫画の話をするのは楽しいです。

 

 「星の花が降るころに」安藤みきえ

 戸部君『おまえは俺を意外とハンサムだと思ったことがーーあたかもしれない。』

これも中学生のお話。主人公は小学校時代の親友と、ちょっとしたすれ違いで距離が出来てしまったが、また仲良くしたいと思っている。

同級生の戸部君は明らかに主人公の女の子が好きなのに、彼女は全く気付いてない。どころか、うざがっている。

主人公『なんで戸部君はいつも私にからんでくるのか。なんで同じ塾に入ってくるのか。なんでサッカー部なのに先輩のように格好よくないのか。』

いや、最後ただの悪口。

戸部くん、頑張れー!

 

 「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセ

 エーミール『そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。』

少年の頃、ちょう集めをして展翅(てんし)の趣味があった主人公の思い出話。

やー、これはぜひ長女に授業でやってほしかったのに、休校期間で受けられなかったんだよね。

手と心にざらっと残る触感。後味の悪さ。さすがヘルマン・ヘッセ。

ここまでじゃなくても、多くの人が成長過程に似た経験や感情があって。

お母さんの『おまえは、エーミールのところに行かなければなりません。』っていうセリフも、静かで毅然としてていいんだよね。

【そのとき、初めて僕は、一度起きたことは、もう償いのできないものだということを悟った。】

覆水盆に返らず…。罵倒された方がまだマシ。

後から何を言っても事実は変えられず、どうにもできないことを知る瞬間。

このジメっと感がいいよねー。

 

追記

昨日ね、長女と国語の教科書の話をしてて、なんか笑って盛り上がったので書きたくなったんです。

国語の教科書からどんどん物語や小説は減らされていくらしいですが、教室で同級生と印象的な小説を味わうっていうのは結構いいものだから、物語も残しておいてほしいなと思います。

学校の当番の少し嬉しかった話。と、1つずつ積み重ねていくこと。

今日は暖かいですね。月並みな言い方ですが春の匂いがして嬉しくなりました。

この間まであんなに寒かったのに。

 

この地域の小学校は集団登校なので、保護者が見送りをする当番があるのです。今週は自分なので、小学校7年目ともなるとちょっと面倒だな~と思うようになっていたんですね正直。申し訳ないんだけど。

そして私は知らない人とコミュニケーションとるのは基本苦手なので、例え子供でもちょっと緊張するのです。

でもね、今週は私が「おはようございます」って言ったら子供達がちゃんと返してくれて。(いやちゃんと挨拶できる子もいるんだけど、嫌なのかなんなのかシレっと無視されることも多いのでね。そんな時は悲しいよねやっぱり。あれ、上手な大人は、相手もつい挨拶を返ししてしまうタイミングや強引さをもってますね。)

今日なんかは、子供達の方から数人挨拶してくれて。なにげにめっちゃ嬉しい。それだけで、“カ、カワイイ…。嬉しい”と思うんだから大人の私の方がよほど単純なのかもしれない。

 

子供達って本当に大人をよく見ていて。見送りの保護者なんて興味なさそうな顔をしていますが、「スマホしか見ていない人もいる。」と家で話していたり。自分も気をつけないといけないなぁと感じます。

そしてこちらが子供達に関心を持って接していると、向こうも少しずつ距離を縮めてくれたりして、そんな所が素直で可愛いというか、やはり子供と接するっていいなぁ、と。

私のお当番イヤイヤ病が少し緩和された出来事でした。

 

 

先日は、小学校で次女の縄跳び大会がありました。個人縄跳びと八の字縄跳び。個人競技は何飛びでもいいのです。引っかかっても構わないので、決まった時間飛び続け、何回跳べたかを記録します。

次女は個人縄跳びは普通跳びを選びました。ただ跳ぶだけのヤツ。

以前は一回跳んだらいっぱくおかないと跳べなかったのが(伝わりますかね。ヒュン、ウン、ヒュン、ウン、のリズム)、続けてヒュンヒュン飛べるようになっていました。

(確か、次女の幼稚園時代に、夫が次女に続けて跳んでみたらとアドバイスした時は「ワタシはこの跳び方じゃないとムリなの!」とキレていた気がする…。)

そういえば、以前私にそのことを言ってきました。続けて跳べるようになったんだよ!って。

真剣にヒュンヒュン跳び続ける横顔がかっこ良かったです。

 

大縄跳びの八の字も、参観で観ていたら、前の子が跳んだ後に一回縄が回らないと入れてなかったんですね。上手な子は前の子が跳んだらすぐ入れるんです。

跳べるには跳べるのでそれでもいいのですが、家でその話をすると「入るタイミングは分かってるんだけど、怖いから。」と。

次女はかなり慎重なので、おそらく学校で挑戦するのは怖いのと、失敗してみんなに迷惑かけるのが嫌なのでしょう。

 

そんな訳で、夫と長女にも協力してもらって家族で大縄跳びの練習をしました。

最初は何回か失敗していたけど、お姉ちゃんのナイスアドバイスもあり跳べるようになりました。(次女の前を跳ぶ時は、大繩の前の方で跳んであげるとか)

縄跳び大会で続けて跳べるようになったところを見て、自己満足した私。

うちの子は体育嫌いなので、練習して出来ることなら、少しでもできるようにしてあげたいんですよねぇ。ドッジボールも怖がるので一緒に何回かしてみたけれど、ドッジは嫌いなままでした。(T_T)

私も体育もドッジも苦手だから仕方ないですけどねぇ。

 

話が逸れましたが、縄跳びって幼稚園からやるじゃないですか。幼稚園の先生が昔言ってました。縄跳びは頑張れば誰でも出来るようになるからと。毎日練習する体験と、成功体験ができるから、みたいな事を話されていました。

1つずつ積み重ねていくこと。コツコツ努力し続けること。

私もそれが出来るようになりたい。でもいつも、なかなか続かない…。

以前、長女から勧められた「西の魔女が死んだ」という本に、こんなセリフがありました。

最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分とは更に違う自分を見ることになる、それの繰り返しです。

分かってはいても、地道な努力を続けることが一番むずかしい。

私もこれができるようになりたい。

 

「ひぐれのお客」安房直子 童話

久しぶりに本の話です。

以前も書いた安房直子さんの本。 

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「きつねの窓」が有名ですが、他にも好きな作品がいくつかあります。

その一つ、「ひぐれのお客」。

 

安房さん特有の色へのこだわりがよく出ています。

何回読み返しても、情景がありありと出てきて美しい文章に心打たれます。

こんな文章で始まります。

裏通りに、小さいお店がありました。

ボタンや、糸や裏地を売っているお店でした。

ここにくるお客は、たいてい、近所のお母さんたちです。それから、編みものも好きな、若いむすめさんたちです。

 

最近はこんなお店がどんどん閉店してしまうので、たまに何か手作りしたい時に困ってしまいます。

安房さんの本には、個人経営の小さなお店がよく出てくるんですよね。

 

「はいはい、まいど」

お店の主人の山中さんは、そのたびに、にっこり笑って、天じょうまで届きそうに高いたなから、緑の毛糸を取り出したり、引き出しから、貝ボタンを七つ取り出して、小さなふくろに入れてあげたりするのでした。

 

この文章で、あぁそうそう、こういうお店って天井まで布や毛糸が積み上げられて、小さなたくさんの引き出しには、細かいボタンや可愛い飾りが入っているのよねと懐かしくなります。

特に手作りが得意なわけでもないのに(どちらかというと苦手)、こいううお店に来ると何が置いてあるのかワクワクします。

 

本の中では、そんななか珍しいお客がやってきます。

冬の日暮れどきに、真っ黒いマントを着た真っ黒い猫が、マントの裏地に使う赤い布を買いに来たのです。

マントは上等のカシミヤで、裏地は百パーセントの絹でなきゃダメという、かなりの贅沢な黒猫です。

その猫の色へのこだわりがまたすごい。

「ええ、赤は赤でも、ぼくは、ストーブの火の色がほしいんです。この色はお日さまの色ですよ。」

「ちょっと、目を細めてごらんなさい。ほら、これは、夏のま昼のお日さまの色でしょ。かあっとてりつけて、ひまわりもカンナも、トマトもすいかも、みいんないっしょくたに燃え上がらせる、あの時の色じゃありませんか。」

山中さんは小さくうなずきました。ああ、そういえば、そのオレンジがかった赤の中には、真夏のまぶしさと、あえぎがありました。

「赤は、全体に、あったかい色ですけどね、そのあったかさにも、いろいろありましてね、おひさまのあったかさ、ストーブのあったかさ、それから、夜の窓にともっている明かりのあったかさ…これ、みいんな違います。それから、ストーブのあったかさにも、まきストーブと、ガスストーブと、石油ストーブがありますけどね、ぼくは、まきストーブの感じが好きなんです。まきストーブが、パチパチ音をたてながら燃えるときのあの感じ。ただ、あったかいだけじゃなくて、こう、心が安まって、いつのまにか、ふうっと眠くなってゆくような感じです。不完全燃焼やら、ガスもれなんか気にしないで、森や林や野原のことを考えながら、安心して眠れる、あの感じは、もう、まきストーブしかありませんからねえ。」

 

店主の山中さんは七種類の赤い布を出して、お客の黒猫から色の細かな違いや見方、感じ方を教えられるのです。

そうすると、だんだん山中さんも色の違いに気がつくようになっていきます。

 

黒猫が選んだ布地からは、かすかにまきの燃える音がして、かわいた木のにおいもしてくる。さわってみるとほんのりいい感じにあたたかいようでもある。

「やっと、わかってくれましたね。それじゃ、これを、三十三センチ切ってください。」

 安房直子さんの本は、次の瞬間ファンタジーからピッと切られて現実に戻される感じがして、また好きなんです。

 

本自体は短いのでね、すぐ読めるボリュームなんですが、全ての情景を味わって読みたくなるし、全ての文章を味わって読んでほしい本なのです。

色の違いや色から受ける印象について、考え直してしまう本です。

黒猫のキャラクターがちょっとツンデレな感じで。最後は店主の山中さんと一緒に余韻に浸りたくなります。

 

 

今は、長女からすすめられて、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を読んでいます。有名なんだそうで、長女の国語の資料集にも載っていました。

読み終わって感想を書けそうだったら又書きます。

子どもが不思議そうに見ている時の表情や目はたまらなく可愛い。“金子みすゞ『ふしぎ』”

私は金子みすゞさんの詩が好きです。

 

とても有名なフレーズ

“みんなちがってみんないい”

の「私と小鳥と鈴と」も勿論好きだし、

CMでも流れた「こだまでしょうか」も好きですが、

昔から一番好きなのは「不思議」という詩です。

 

ふしぎ

 

わたしはふしぎでたまらない、

黒い雲からふる雨が、

銀に光っていることが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

青いくわの葉食べている、

かいこが白くなることが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

たれもいじらぬ夕顔が、

ひとりでぱらりと開くのが。

 

わたしはふしぎでたまらない、

誰にきいても笑ってて、

あたりまえだ、ということが。

 

子どもと一緒にいると、なんでもないことで子どもの目が釘付けになっている様子を見ることがあります。

お風呂で水が指先からポタポタと落ちるのをじっとのぞき込んでいる時、桃を種の周りギリギリまで食べて、中身の種まで取り出し硬さを指で確かめている時、水族館でトドの口周りのヒゲを凝視している時、雑草のさやの中の小さな実を豆のように取り出すのに夢中になっている時、葉っぱを葉脈だけにして骨々状態にしている時、静かなさなぎの色と細い糸をジッと見ている時、スプーンの中で逆さに映った自分の顔をまん丸な目で見つめている時。

そんな時は、私もその様子を黙ってずっと見ていたい気持ちになり、愛おしさがこみあげてきます。自分も子どもの頃こんな風だったと思い起こしながら。

 

金子みすゞさんの詩はいつも優しすぎて、なぜか分からないけど私は勝手に泣けてくるんです。

心が洗われるようで、気持ちが黒くすさんだ時にみすゞさんの詩集を開いたりします。(^^;) 

 

みすゞコスモス―わが内なる宇宙

みすゞコスモス―わが内なる宇宙

 

こちらは、私の母が病気になった時に友達がプレゼントしてくれたものです。

母は「詩の後に書かれている文章が、詩の理解を深めてくれてとても良いよね。」と喜んでいました。 

 

 

金子みすゞ豆文庫

金子みすゞ豆文庫

 

 こちらは、私が本屋さんで買った豆本。手のひらサイズで可愛いのです。

 こんな感じ。

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中学生になった長女は身の回りのことで驚くことは小さい頃より減ったけれど、理科の生物で植物の勉強を不思議がったり面白がったりしている様子を見ると嬉しくなります。もし成績そのものが振るわなくても(笑)、学ぶ楽しさや知る喜び、面白がる気持ちを、ずっともっていて欲しいなぁと思います。  

淀川長治さんの本『「生きる」という贅沢』

 淀川長治さんとは、日曜洋画劇場の後に解説をして最後に「それではまた次回をお楽しみに。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」と言っていた方だ。私が小さい頃に見ていたから、今の若い方はあまり知らないかな。

1998年11月11日に、89歳で亡くなられている。その淀川さんが89歳で出された本が『「生きる」という贅沢』。1998年4月10日初版。 この本のタイトルも好き。

「生きる」という贅沢―私の履歴書

「生きる」という贅沢―私の履歴書

 

 

15年位前に、ネットで話した人が映画が好きで、この本のことを教えてくれたので紀伊国屋で買ったんです。

そしたら中身が良くってね。淀川さんの語り口で書かれた自叙伝なんだけども。

 

淀川さんが生まれたのは神戸で、家は三代にわたる芸子屋だった。身体は弱かったが大切に可愛がられて育ち、3歳の頃は戸ぶくろに隠れるのが好きで、戸ぶくろの中の小さな穴から光がもれて、壁に表の景色が逆さまに映って動く様子が面白くてずっと見ていた。4歳の時に観た短編の西洋喜劇で、活動写真に魂を奪われた。

ここから淀川少年がどうやって映画の世界に入っていったか、淀川さんの家族はどうだったかなど、それまでの人生がずーっと描かれている。ちなみにお姉さんの人生もかなり波乱万丈で面白いのよね…。

 

目次を一部抜粋すると

隠れ家は戸ぶくろ

活動写真の洗礼

置き屋育ち

初恋の小沢センセ

生涯を決めた「ウーマン」

大学入学偽り映画雑誌編集部に

トーキーに驚天動地

貧乏覚悟、誇りの人生

M・G・M受験でカミナリ

弟の死

チャップリンとの四十二分間

ハリウッドは優しかった

苦労こい 他人歓迎

顔はその人のパスポート

こわかった谷崎先生

どろぼうの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

なんとタンジュン!

 

こんな感じで興味をそそられる。

どれもただただ映画に一途。歴史を感じるし、ちょっと無茶苦茶な面もあって、ユーモアもあり、ほろりとさせられ面白い。映画のこと以外は何も出来ないダメ人間だと自虐的におっしゃる面も親近感がわく。

 

得に最後の「なんとタンジュン!」の文章は心に染みる。  

七歳のとき、アメリカ映画「イントレランス」(1916年)を見たとき、この映画のバビロンの宮殿のセットにびっくり。嬉しかった。十歳のとき見たアメリカ映画「ウーマン」(1919年)であまりの素晴らしさにボクは映画と一生暮らしたいと思った。

子どもの頃、このように嬉しかったことを持っていたことは幸せだったと思う。小学校の二年生のころイジメッコ二人に痛めつけられ泣く思いをしたくせに、その日そんな時に活動写真の面白さが私を元気にした。  

 

私はタンジュン。けれどそのタンジュンのおかげで見上げる満月を見ると「きれい」と心の中で叫んでしまう。あの月を皆も見ているのであろう。あの美しい月を銀座を歩く人も新宿を歩く人もみんな見ている。いや見上げているのであろうか。あの月を見ないままの人はずいぶん損をしている。

いやいや月ばかりではない、きらめく星も、そして夜が明けて真っ赤な火のかたまりのように昇ってくる太陽も「あーっ、きれい」と見とれてしまう。生きていてよかった。この胸ドキドキ出来る嬉しさの持てることは!

 

しかし私はもうこの年齢(八十九歳)で死が迫ってきている。この死ぬことを、よく夢に見る。自分の寝ているベッドがスーッとあとへ曳きこまれてゆく夢などを見る。死ぬ時を夢で見るのも死の近いゆえだろう。これで振り返って、嬉しいことばかりが思い出される。嘘だよ、悲しいこといっぱいだよ、そうも思う。

けれど悲しいことを忘れるほど私は嬉しいことがいっぱいで今日まで生きてきた。嬉しいことがなくなったら人生の終わり。

 

淀川さんの本はこんな言葉で締めくくられる。

植木鉢の花がまた咲いた。これだって嬉しい。人生は何か。人間の使命は何か。そんなむつかしいことを考えなくても互いに「うれしかったなぁ」と言い合える社会が一番幸せ。なんとタンジュン。しかし百万円よりフトコロの一万円を大切にしたいよ。 

 

 

ありがとう平成

平成があと数分で終わりますねっ。(;・∀・)

 

平成の天皇陛下のお言葉に

象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します。

とありました。胸がジンとします。

いつも日本の平和を祈り、年齢を重ねられてからも皇后陛下の美智子様と共に公務の為に飛び回ってくださって、こちらの方こそ感謝です。本当にありがとうございました。

 

平成最後の夜に大好きな「赤毛のアン」を読みました。

子どもの頃から何度も読み返している大切な本です。中には心に染みる言葉がたくさんあります。

いとこのお姉ちゃんからもらったので、紙はもう黄色くなって、古本屋さんの香りがします。

アンは「朝」が大好きです。

朝はどんな朝でもよかないこと?

その日にどんなことが起こるか分からないんですものね。

想像の余地があるからいいわ。

想像の余地がある。

新しい令和の時代にも、想像の余地がある。

先のことは誰にも分からないのだから。

あなたは令和に、どんな未来を想像しますか?

 

ありがとう平成。もうすぐ令和ですね。

小学校1年生下巻、国語の教科書に載っているお話「サラダでげんき」

以前の記事の続き、今回は小1下巻です!www.nonbirinodoka.com

今回も下巻の中から何本か書こうと思ったのですが、1つで精一杯になりました。又書けたら「サラダでげんき」以外も書きたいです。 

サラダでげんき  

はいこれです。サラダでげんき。

かどのえいこさん文、長新太さん絵。

「キャベツくん」などを描いている長新太さん。

これはもうね、長新太さんの絵の方がインパクトありすぎてね、絵がメインになってる感ありますよねぇ。 

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長女の時も次女の時も、このムキムキなお馬さんにちょっと引いてました…。

でもなんかクセになって、また見にきてしまう。一度見たら忘れられない。長新太さんの絵にはよく分からないけどそういう魅力があります。 全然可愛くはないんだけどね。(失礼!)

 

内容 

主人公の女の子りっちゃんが、病気になって寝ているお母さんに何かしてあげたくて、サラダを作るお話です。サラダで元気になってもらおうとするんです。

それでキッチンでサラダを作っていたら、次々に動物がやってきて、あれ入れろ、これ入れろ、とアドバイスするんです。

猫はかつおぶし、犬はハム、すずめはトウモロコシ、アリは砂糖、馬は人参、白くまは昆布、アフリカぞうは油と塩と酢。

りっちゃん、素直にその材料を入れていきます。

出来上がったサラダを食べたお母さんは、たちまち元気になりましたとさ。^^

 

音読 

このお話には、カタカナと擬音がいっぱい出てくるんですよ。

きゅうりをトン トン トン、キャベツは シャ シャ シャキ、トマトも ストン トン トンときって、大きなおさらにのせました。

とかね。カタカナにもまだ慣れていないし若干読みにくく作られているので、それを詰まりながらも教科書と顔がくっつく位に近づけ、頑張って読むのが可愛いのです。

特に

「チュッ、チュッ。とうもろこし入れなきゃ、げんきになれない。うたもじょうずになれない。チュッ、チュッ。チュピ、チュピ、チュ。」

「まあ、ありがとう。チュピ、チュピ、チュ。」

ここは愛らしい。チュピチュピチュの所だけゆっくりと頭でリズムをとりながら読んだりします。ママ必見、いや必聞?です。

 

思い出 

「サラダでげんき」は長女も次女も小1の教科書に載っていました。私は国語の教科書は好きなので…、特に1年生の物は思い出深いので、進級しても本棚に残していたんですね。

そしたら長女が2年か3年の時に次女と2人で、片頭痛で寝込んでいた私に「サラダでげんき」サラダを作ってくれたんです。誰にも頼らないで、家にある材料で。思いのほか美味しかったし、嬉しかったです。

一緒に何か料理することはあったけれど、子供達だけで作ってくれたのはそれが初めてだったかもしれません。火を使わないから安心なのもポイントですね。小さい時に子どもだけで火を使われるとおちおち寝てられない。

子ども達がサラダを作ってくれたことで、より一層「サラダでげんき」が思い出深い本の1つになりました。

 

とりあえず今日は、国語の教科書の小1下巻「サラダでげんき」の話、でした! 

小学校1年生上巻、国語の教科書に載っているお話9本

私は小学生の頃、まっさらな教科書をもらった日は、国語の教科書にどんなお話がのっているかを見るのが好きでした。

自分の子どもの時も国語の教科書には興味深々。

今の教科書にはどんなお話が載っているのかな~って思います。音読も聞かなきゃいけないしね。

 

で、この一年は小1の教科書にどんなお話がのっていたか振り返ってみたいと思います。とりあえず上巻。備忘録です。

全部ではありませんが、印象に残ったものを載せますね。

(引用の…は、“続く”を表しています)

 

あいうえおのうた

小1の始めはまず「あいうえお」。

ありこの あちこち あいうえお

いしころ いろいろ あいうえお

子ども達のまだ舌足らずな読み方が可愛いのです。

( *´艸`)

 

 

あめですよ

とよたかずひこ 文・絵

あめ あめ だいすき

とん とん とん

あめ あめ きらい

ふう ふう ふう

…(略)

あかい かさ

あかい ながぐつ 

らん らん らん

とよたかずひこさんの絵が分かりやすくて可愛いです。

子どもが「ふう ふう ふう」というときの表情が一生懸命で良いのです。

 

とんこととん

 ぶしかえつこ文・たしろちさと絵

初めてお話らしいものが出てきました。

ねずみさんの部屋の下にもぐらさんが引っ越してきて「とんこととん」とお互い床と天井をたたいて挨拶する仲になるっていうお話。

ねずみが、さんぽからかえってきました。

ゆかのしたから、がたがたおとがきこえます。

「おかしいな。なんだろう。」

…(略)

ふたりは、なかよしになりました。

とんこととん。

「おやすみなさい。」

とんこととん。

「また、あした。」

絵を見ながら、気付いたこととか発表するんですって。

音読では作者の「ぶしか えつこ」さんの名前を言う時が、やたらハッキリ言っていてインパクトあり。

 

あひるのあくび

今度は「あ」から「ん」までですね。

あひるの あくびは あいうえお

かえるが かけっこ かきくけこ

…(略)

らくだで らくらく らりるれろ

わにさん わなげだ わいうえお ん

子ども達も自分で作っていましたよ。(*^-^*)

 

どうやってみをまもるのかな

これは「動物がどうやって自分の身を守っているか」を具体例を出しながら書かれたものです。

やまあらしはトゲをたてて身を守り、あるまじろは体を丸めて身を守る。

すかんくはお尻からくさい汁を飛ばして身を守る。そんな内容が書いてあります。

どうぶつは、いろいろなやりかたで、てきからみをまもっています。

これは、やまあらしです。

やまあらしのせなかには、ながくてかたいとげがあります。

…(略)

すかんくは、しるをとばして、みをまもります。

てきがきたら、さかだちをして、おどかします。

てきがにげないと、さかだちをやめて、くさいしるをとばします。

 

すかんくも一応警告をするんですね…。

神戸動物王国に家族で行った時、次女はアルマジロを見て感激し、ずっと観察しておりました。意外と可愛いんだよねアルマジロ。

教科書で習った雑学も私に披露してくれました。なんか嬉しかったー。

 

おおきなかぶ

うちだりさこ訳 さとうちゅうりょう絵

でました!おおきなかぶ。

まごがおばあさんをひっぱって、

おばあさんがおじいさんをひっぱって、

おじいさんがかぶをひっぱって、

「うんとこしょ、どっこいしょ。」

まだまだ、まだまだ、ぬけません。

このあたりからだんだん盛り上がってきますね。(^^)リズミカル。

次女は慣れてくると、ひと息で一文読んでくれました。最初はあんなにたどたどしかったのにな。

  

かいがら

もりやまみやこ文・しんのめぐみ絵

これね、印象に残りますね。

くまのこが海で貝殻を拾ってきてね、友達のうさぎのこに見せるんですよ。

くまさんが「どれが好き?」って聞いたら、くまさんが一番好きな貝殻を、うさぎさんも好きだと言うんですね。もしうさぎさんが、くまさんが2番目に気に入っていた貝殻を好きだと言ったら、おみやげにあげようと思っていたんだけどなぁって悩むんですね。

一晩考えた結果…

「うさぎちゃん、あげるよ。」

「だって、それは、いちばんすきなものでしょう。」

「うん。そうだよ。だから、あげるんだ。」

くまのこは、だいすきなともだちには、いちばんいいものをあげようときめたのでした。

これはね、大人も考えさせられるよね、自分もできるかな、できないかもなって。でもその後の2人の幸せそうな絵を見ていると、うん、私もその時悩んで決めようと思ったりしたお話でした。

子ども達の感想文とか、ジンとくるんですよ、純粋でね。

  

 んー。1年生のノートだけはとっておこうかと悩みます。成長のふり幅が大きいし、可愛いし…。断捨離とかなかなかできないんだよなぁ。

今日は「小学校1年生上巻、国語の教科書に載っているお話9本」でした~。

  

「若おかみは小学生!」映画とテレビと原作をみて思ったこと色々!

こんにちは!ささやまのどかです。

 

子供に教えてもらった本の1つ  

青い鳥文庫で「若おかみは小学生!」という全20巻の本があります。

長女が、低学年か中学年の時に大好きでよく読んでいて、私に教えてくれました。

長女「ママ、この本面白いんだよ~。さすが青い鳥文庫♪」ってな感じで。(彼女は講談社青い鳥文庫の大ファンでもあります。私は講談社さんのまわしもんではありません。)

 

  私  「へ~。どんなところが面白いのですか?」

長女 「えー、そうですね!同じ小学生(6年)の主人公が、若おかみとして頑張って成長する話がまず面白いのと、周りのキャラクターが良いところ。あと幽霊としゃべったりっていうファンタジー感があるのがワクワクしていいですね!うん!」

 

私はその時“ふ~ん、そうなんやぁ”位に受け取っていましたが、今振り返るとなかなかちゃんとポイント押さえてます。

 

2018年4月から、日曜の朝にテレビアニメが始まったので子供たちと一緒に楽しく観ていました。 ところが9月に放送終了。寂しい。

 

ある日はてなブログのトップ画面をボーっと見ていると、有名なはてなブロガーさん達が「若おかみは小学生!」の劇場版を絶賛しているあつい記事を見かけたんですね。私はテレビも見たし映画はもういっかと思っていたんですが、“これは子供たちと行きたい!ハンカチ持って行かねば!”と思いました。

  

10/13土曜日の夕方、「若おかみは小学生!」の上映期間が延長されていたので、なんとか観ることができました。

その映画の感想を中心に書こうと思います。

 

私はネタバレせずに語るのって無理なので、これ以降はネタバレ含まれると思います。ご注意ください!

あっ。ちなみに劇場版は初めて観る大人も子供も楽しめる作品になっていました。

子連れの方も多いけど、成人男性のグループやご年配の方も見かけたので、お客さんの年齢層は幅広かったです。

 

 

 

 

 

前置き 

 これは私の個人的な思いなんですが、年齢ある程度いってしまうと、どんな作品もまっさらな状態では良くも悪くも観れないんだなぁと思いました。

私はただでさえ懐古趣味的なところがあるので、昔感動した自分の中のベスト作品は昔の思い出の方が勝ってしまって、それを超えられないんですよね。

だから、あ~、この場面はあの話を思い出すなぁとか、勝手に色々ひっつけて観ちゃう。

まぁそれも又楽しいんですけどね。子供が映画を観た後の余韻だけは邪魔しないよう気をつけたいもんです。

そしてやっぱり、いい作品って自分の昔の体験やら色々思い出して心動かされます

 

 

感想

ストーリーの割にカラッと明るい作風

両親を事故で亡くした主人公、小学6年生のおっこちゃんが、おばあちゃんの旅館の若おかみとして修行を始めるお話です。

重たい始まりの割には、コメディっぽい場面も多く、明るくカラッと描かれています。 

おっこちゃんの明るいキャラクターや、周りの個性的なキャラにも救われています。

 

事情があって、子供が早く大人にならなければいけない状況 

おっこちゃんは子供らしい可愛い女の子ですが、原作でも“年の割にはしっかりしてると言われる”と書かれています。そりゃあそうでないと、両親の死後すぐに若おかみ修行なんて普通は出来ません。

 

私が子供の頃から大好きなアニメに「じゃりン子チエ」があります。

これまた、事情があって子供のうちから働くことになった小学生のお話ですが、笑える場面がたくさんあって大阪の下町が描かれていて、それでいて泣ける話がたくさんちりばめられた素晴らしい作品です。

ある場面で、チエちゃんのお母さんがこんなセリフを言うんですよ。

「パチンコの景品で、チエはみつるさんの赤ちゃんにプレゼントしようとミルク缶を選んだでしょう?そんな気がきいてしまうあの子の大人びた部分が不憫で、母親として申し訳なく思えてしまうんです…。」

言い方は違ったかもしれないけど、そんな内容のことです。

 

何が言いたいかというと、そういう健気な少女に大人はどうしようもなくキュンときて切なくなります。

 そして誰しも、タイミングは違うにせよ、子供から大人にならないといけない状況を体験してきているのでどこか共感するところがあります。

 

「若おかみは小学生!」を観て思い出す作品といえば「魔女の宅急便」ですが、(ウリ坊たち幽霊の存在はジジと重なって見えます)、ピーターパンに出てくるウェンディなんかも私は思い出しました。大人になりかけの12歳位の女の子というのは、どこか危うくて魅力的でキラキラしているもんですね。類似的な意味合いではなくて、どの作品も素晴らしい物語だと思います。

  

昔ながらの日本の宗教観「全てを受け入れる」 

「花の湯温泉は誰も拒まない。全てを受け入れて癒してくれる。」これが映画のキーワードになっています。

日本の神道と似た宗教観に感じました。色々な八百万の神様がいて、どんな神様も、全ての価値観も受け入れる、否定しない、といった感覚。昔ながらの日本を感じます。

 

頑張りどきと覚悟 

 誰にだって現実を受け入れて頑張らないといけない時が、人生に数回訪れるのではないでしょうか。だからこそ、誰の心にもおっこちゃんの頑張りが心をうつのだろうと思います。

年齢の割にしっかりしたおっこちゃんは、私には最初からそういう覚悟ができているように見えました。でも本当は違いました。まだ両親の死に実感がもてず、受け入れることができていなかったんですね。何度も、本当は両親が生きていたという夢をみます。小学6年生で両親が亡くなるという現実はあまりに辛いことでした。

最後の、本当の覚悟と決意のこもったおっこちゃんのセリフにしびれます。

 

懐かしさ 

若おかみ修行なので、日本の作法も学びます。畳のへりは踏まないとか、子供の頃教わったなぁなんて懐かしい気持ちになりました。

 

そして温泉街の風景。私は有馬温泉を思い出しましたが、たぶん誰もが自分とゆかりのある温泉を思い出すのではないでしょうか。なんとも懐かしく美しい風景なのです。

温泉街での横の繋がりも感じさせます。その街では温泉街を盛り上げようと皆で協力してるんですね。

これまた自分の思い出話で恐縮ですが、有馬温泉で昔に夫が長女に筆を買ってあげたことがありました。筆を持つ先端からお人形が飛び出る細工をほどこした美しい柄の「有馬人形筆」です。ところが有馬温泉で火事がおこって、そのお店も焼けてしまいました。その後私達が有馬温泉に訪れて、周りのお店の方に有馬人形筆のお店のことを聞くと、地元の皆で支援をしている最中とのこと。ホッとして心があたたかくなりました。

そんな地元の繋がりっていいなぁと思うんですよね。

 

おっこちゃんのライバル的存在、真月という同年代の女の子のセリフで「ここでは皆、夏休みは子供も家の手伝いをして働くのよ。」というようなのがあるんですが、それもまたすごいなぁと感じるし、おっこちゃんの新しい環境がそういう所で良かったなって思えます。

 

そして鯉のぼりが空に連なる風景。

なんとも美しく、またそれを見て帰ったであろう春の屋旅館のお客様、あかね君のことを想像すると、おっこちゃんの嬉しさを一緒に感じてしまいます。

  

テレビアニメや原作と比べるのも楽しい 

露天風呂プリンが出来るまでの経過も、もっと試行錯誤した物語があって面白かったんですよ~。

あと、真月さんのクセである「照れくさい時に耳を触る」のが映画でもちゃんとでてきて、でも映画ではその説明は無かったと思うので、長女と“本当は嬉しいんだよね~”と映画館でささやき合うのも楽しかったです。テレビと原作では美陽ちゃんが説明していました。

それとそれと、テレビと原作にはおっこや真月さんの恋バナも出てきます!映画を観て興味をもった子供さんには、ぜひ本も読んでほしいな。

 

原作の令丈ヒロ子さんのあとがき 

私は作者のあとがきを読むのが好きで、作者の令丈ヒロ子さんのあとがきも人柄がうかがえて面白かったです。

真月さんがおっこちゃんに 「お客は年寄りにも子供にも気を遣うわ!」っていうセリフがあるんですけど、作者さんの実体験なんだとか。私も同じことがあって、古い旅館に泊まった時に、かなり高齢の仲居さんが布団を敷こうとしている姿をみて、思わず「自分たちで敷くからいいですよ」と言ったのを思い出しました。なんだか申し訳なくて。でもそれも良い思い出になっています。

あと作者さんの子供時代の話なども書かれていて、面白いんですよ。

 

その他   

他にも、長女が好きなキャラ真月さんのことや、グローリーさんみたいなお姉さんは女の子なら皆ほしくなるよねって事や、おっこの声優さん小林青蘭ちゃんが良かった!みたいな話も書きたかったんですが、長くなったのでこのへんで。

 

最後に、長女は「若おかみは小学生!」と「黒魔女さんが通る」のコラボ映画も観たいらしいです!関係者の方よろしくお願いします!本は出てるんです。

 

 

 ちなみに私がビジュアル的にドストライクで好きなのは美陽ちゃんです。いたずらっ子で妹思いの、ちょっとツンデレ入った可愛い幽霊さんです。下の絵は一応飛んでるところを描いたものです。頑張ったけどなんかちょっとちゃうねんなぁ。まぁいっか。

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